2013年3月26日火曜日

胃がんの“芽”を摘むチャンスが広がりました!


国立国際医療研究センター理事・国府台病院長の上村直実氏は、以下のように述べておられます。

「今回の保険適用拡大は、松あきらさんと秋野公造氏の2人のおかげで実現したと言って過言ではない。むしろ、保険適用について報じた主要紙の記事に2人の名前が見当たらないことが不思議であった。率直に言って2人に感謝して然るべきだと思う。また、公明党員による100万人を超える署名活動も大きな力になったと聞いている。

胃がんの90%以上はピロリ菌の感染による胃炎が原因で、ピロリ菌を除菌すれば、胃がんの発生を抑制することが可能である―これは既に1990年代から2000年代初頭にかけての研究結果から、医学的には世界の常識になっている。

ところが、実際に患者を治療する医療の現場ではこれまで、その医学界の常識がなかなか受け入れられずにいた。背景として、日本のピロリ菌感染者は3500万人以上ともいわれ、対策に掛かる財源が莫大になることなどの課題があったものと推測される。

そうした医学と医療の間に横たわっていた不一致が見事に解消された。私の専門領域では前例のないことで驚いている。松、秋野両氏が真摯に取り組んでくれたことがうれしい。

胃がんは早期発見することで治癒する病気だ。国府台病院がある千葉県市川市でも13年度から実施される予定だが、採血による血液検査により、胃の中のピロリ菌の有無と胃の粘膜の萎縮を調べ、胃がんの発症リスク(危険)の度合いに応じてA・B・Cなどと分類・判定する検診方法を導入する自治体が広がっている。

そうした流れの中で、今回の保険適用拡大は、胃がんの“芽”を摘む早期発見のチャンスを広げてくれるものだ。胃がん予防が前進し、将来的に胃がんで亡くなる人が間違いなく減ると思われる。

さらに、「慢性胃炎」はこれまで定義が曖昧な病気だった。そのうちピロリ菌感染による慢性胃炎の治療方法が「除菌」と明確になったことで、その他の原因による慢性胃炎の治療方法も今後、定まってくると思われる。これは、医療の現場ではエポックメーキング(画期的)なことでもある。

現状の課題として、ピロリ菌の感染診断や除菌治療の副作用、除菌の判定方法などを熟知している医師が少ないので、早急に体制を整えないといけないと思っている。

ともあれ、胃がんの早期発見・治療に向けた公明党の今後の取り組みにさらに期待したい。」





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