2012年2月13日月曜日

“まやかし” 民主・新年金案

「全ての年金を一元化し月額7万円の最低保障年金を創設する」と豪語してきた民主党は10日、その財源について1年間“隠蔽”してきた試算を、ようやく公表しました。
その新年金案は「大幅増税・給付減」の非現実的な内容であり“まやかし”そのものです。


公明新聞:2012212






消費増税で将来17%に


民主党は、2015年度に消費税率を10%に引き上げ、翌16年度から新しい年金制度への移行を始める方針です。公表した試算では最低保障年金の支給範囲で4つの案を示しています。

このうち、同党のマニフェストに合致する案は(1)案【図参照】だけで、生涯の平均年収260万円以下の人には最低保障年金を満額支給し、それ以上の人には徐々に減額して同690万円で打ち切る案ですが、同420万円前後を超える人は皆、現行制度よりも支給額が減ります。
しかも、(1)案を実現するには、「15年度に消費税率10%」をめざしている社会保障と税の一体改革とは別に、将来、最大で7.1%分のさらなる増税が必要になります。その結果、消費税率は17.1%にも膨れ上がってしまいます。

民主党は、公表した試算について、あまりにも莫大な財源が必要になるため、「あくまで政策検討用の参考資料だ」と“逃げ腰”です。公明党の山口那津男代表は、「単なる参考資料というのでは、民主党政権と共に協議することはできない」と述べています。


多くの人が給付「減額」
民主党案では、全国民に大幅増税を課した上で、現行の基礎年金がなくなり、中堅所得層以上は最低保障年金の上乗せもなくなってしまいます。

試算のうち、支給を絞った(2)〜(4)案【図参照】でもそれぞれ増税となる上、年収が高いほど減額されて、(2)案=690万円、(3)案=520万円、(4)案=380万円でそれぞれ最低保障年金の支給が停止される“ダブルパンチ”です。生涯平均年収で少しでも収入があれば減額されるこれらの案は、「一定収入以下の人全員に7万円を支給する」とした民主党マニフェストの案とは明らかに違うものです。

さらに、民主党が掲げる「全ての年金制度の一元化」も問題です。会社員は年金保険料の半分を企業が負担しますが、自営業者は自ら全額負担することになり保険料を会社員の“倍額”払わなくてはなりません。つまり、「同じ所得なら、負担も給付も同じ」という公約も“実現不可能”です。

移行に40年無年金救えず
民主党は2009年の衆院選で、「全員に月額7万円の最低保障年金を実現」をキャッチフレーズに支持を拡大し、政権交代すれば、すぐに月額7万円が給付されるようなイメージを国民に植え付けてきました。

しかし、民主党案では、満額支給を受けられる時期は、新しい年金制度がスタートしてから40年も先のことなのです。これは、制度改革に移行期間が必要なためですが、この間、これまで未納だった期間分は年金の受給資格がないため、現在、無年金や低年金で困っている方の救済には全く役に立ちません。

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