池田市では4月へ向けて、保育所の申し込みが殺到しているそうです。
我が市では昨年9月の議会で「子ども条例」を改正し【子ども子育て新システム】を導入し、それに伴う1億円の基金により、『池田モデル』構築を目指しての取り組みがはじまっています。
一般紙においても先駆的な動きとして取り上げられ、国の検討会議においても市町村の事例として紹介されています。
「幼保一元化」など国の方向性が未だ明確になっていない状況ですが、現場の市として、できることからしっかりと取り組み、子育て支援を進めています。
さて、「子ども手当」など子育て支援の話になると、年配の女性の方たちから、
「昔は、生活も大変な中、一生懸命に子供を育ててきた。今の親は贅沢すぎる。」
といったご意見が出ることがあります。
「子ども手当」のあり方が適正かどうかは別問題として、いま、なぜ「子ども子育てを社会全体で支援する」という考え方が必要なのか、考えてみたいと思います。
○男性雇用中心から両性支援へ
日本はこれまで、男性雇用を軸とした生活保障に取り組んできました。 つまり、業界や会社を守ることにより男性雇用を守り、その男性雇用主が家族を守るという構造でした。
しかし、社会構造の変遷に伴い、女性の社会への開放度が高まってくる中で、保育サービスを軸とした社会保障制度が求められるようになってきています。
こうしたニーズに対応している国では、経済成長度も高く、財政収支も黒字となっています。つまり、子育てへの社会的投資は女性への投資とイコールとなるのです。
○貧困の 世代間連鎖 を断ち切る
就学前教育に力を入れることは、貧困の世代間連鎖を断ち切る効果的な手段だと言われています。
アメリカでの統計によると、高校中退者の失業率はそれ以外の人の3倍になっているそうです。そしてこの層に多額の社会的コストがかかります。
こうした状況は「すべての子供に良質な幼児教育」を保証することで、回避できます。つまり、子どもの貧困の解決は成人の貧困の解決よりもコストが抑えられるといった考え方です。
○高齢社会への対応
日本では社会保障支出が人生後半に集中しています。
そこで就学前教育というと、人生後半の支出からお金を持ってきてあてがうととられがちですが、決してそういうことではありません。 むしろ高齢世代を支える、高い生産性を持った若い世代を育成することになるので、決して世代間紛争にはなりません。
各国を比較しても、高齢世代が貧困で若年層が平等であるという国はありません。貧困率はともに高いか低いかです。両者は相乗的な関係です。
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