2012年5月4日金曜日

「防災」に取り組む公明党 ⑥


■ 「わが街の防災」総点検運動
 
公明党大阪府本部は昨年10月に、学校の防災機能を調査するために「わが街の防災」を実施しました。
全議員と延べ3248人の党員が、府内1169校の公立学校を実地調査しました。
池田市においても、11の小学校と5つの中学校に訪問させていただきました。
 
東日本大震災をはじめとする、近年発生した大規模地震において、学校施設が避難場所として利用され、地域の防災拠点として評価される一方で、実際に避難所として利用された状況等から、学校施設の避難所として必要な防災機能については様々な課題が指摘されています。
通信が途絶えて“陸の孤島化”するケースがあったほか、備蓄の食料や毛布が不足するなど課題もありました。
このような教訓を踏まえ、関西圏でも今後大規模地震の発生が懸念されることから、総点検運動に着手しました。



■ 総点検運動の結果(大阪府全体)
  
調査結果によると、災害時も安定的につながる「衛星通信電話」を設置している学校は1・8%。通信事業者に申請すれば登録できる「災害時優先電話」の指定は57・2%であることが判明。
また、「自家発電設備」は13・6%、「太陽光パネル」は12・0%の設置率でした。東日本大震災では、停電によって太陽光パネルのシステムも停止した事例があり、蓄電池などの備えが必要ですが、蓄電池の設置率は3・0%と低い水準。さらに、避難生活で重要な要素となる「水の確保方法」が決まっている学校は約30%。「防災倉庫」「備蓄倉庫」設置率はそれぞれ50~60%という状況でした。
このほか、高齢者などに配慮した「洋式トイレ」設置率が90%を超えた一方で、緊急に活用できる「マンホールトイレ」は7%に満たない状況。また「シャワー」設置率は約75%、車イスが通るスペースなど「要援護者の避難に備えた場所」の確保は約30%でした。

「わが街の防災」総点検運動 まとめ

■ 大阪府における防災対策の充実についての提言

こうした結果を踏まえて、松井一郎知事に「大阪府における防災対策の充実についての提言」を手渡し、東日本大震災から10カ月が経過したことに触れ、「既存の防災機能を見直し、震災の教訓を生かすことが重要だ」と指摘しました。そして
(1)「学校施設の防災機能強化プラン」(仮称)を策定し、3年間で集中的に防災機能を強化すること
(2)災害弱者に配慮した緊急物資備蓄の見直し
(3)防災教育担当職員を各小中学校に配置するなど防災教育の拡充
(4)府や各市町村の防災会議への女性委員の積極的登用
―などを要望しました。

また、この『総点検運動』は一般紙でも取り上げられました。



■ 関西大学 社会安全学部長 河田惠昭教授

「大阪府本部の総点検を評価」
 
日常は子どもたちを預け、いざという時には私たちも避難する学校は最重要の施設だ。しかし一方で、災害を想定した学校施設の強化は、ほとんど行われてこなかった。今回、学校の防災機能の不十分さを数値で浮き彫りにした、公明党大阪府本部の調査の意義は大きい。
学校の防災機能は命に関わる問題だが、普段は、目立たない分野だ。こうした調査は、住民に寄り添う公明党にしかできない。今回の結果を広く発信し、“防災拠点としての学校”に対する住民の意識を喚起してほしい。
東日本大震災復興構想会議でも学校を中心とした被災地のまちづくりを提唱している。政治はもっと、学校施設の充実化に予算を充て力を入れるべきだ。
今後、今回の調査をさらに掘り下げて、非常時、電力供給量はどのくらい必要か、トイレは男女別かなど、より実質的な政策展開を期待する。
公明党は掲げたことは実行する正直な党だ。学校施設の防災機能の強化を、ぜひ進めてもらいたい。



■ 防災対策に女性の視点
 
「着替え場所や授乳スペースがない」
「生理用品やおむつが足りない」——。
東日本大震災の避難所では、こうした女性の切実な声が多く聞かれ、防災対策に“女性の視点”が欠落していた実態が浮き彫りになりました。
公明党は2011年、「党女性防災会議」を設置。全国の女性議員を中心に自治体への「防災行政総点検」を実施し、防災会議への女性の登用促進などを政府に提言したほか、各地の自治体でも首長へ申し入れや議会質問などを通し、女性の視点に立った防災対策の見直しを進めています。
公明党大阪府本部の女性防災会議でも、大阪府を含む35自治体に調査し、地域防災会議に女性委員の占める割合が1割にも満たない自治体が8割近くという結果に。


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